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2012/02/12
こだわりのガラス選定
具象デザインのステンドグラスを制作する時に、ガラスの使い方で気をつけてる事は、出来るだけガラスの持ってる表情や質感を利用して図柄を表現し、バックに使うガラスから絵柄に使うガラスまでを違和感無く表現する事です。ステンドに使用するガラスは殆どのガラスが、同じ品番でも表情や質感等が全て違うので、作品に合ったガラスを探す作業が重要になって来ますが、特に複雑な具象作品になってくると使えるガラスを探す事は、非常に難しい事です。
参考例で掲載した2点の作品画像に使ったガラスは、国内に良いガラスが無かったので、アメリカのガラスメーカーにガラスを探しに行き選定したガラスを使用しています。ガラスの表情だけで、クレマチスの花の持つ柔らかな色合いや質感を、また葡萄の葉やつる等を表現していますが、この作品を制作した当時は、複雑で面白い表情のガラスを見ながら、どの部分を選んで使えば良いのか?と、悩みながらの作業がしばらく続きました。
画像は、この作品で使用したガラスの部分画像ですが、ガラスの表情には、製造段階で出来る色ガラスの偶然な混ざりやうねりが、大胆で美しい表情から神秘的な表情までも感じる事ができます。
カットするのがもったいない程のガラスですが、図柄に使う為に良いとこ取りでガラスをカットして、ガラスの表情を作品に取り込みながらデザインとガラスをバランス良く構成して、納得出来る作品に作り上げて行きます。